後立山(長野) 布引山(2683m)、鹿島槍ヶ岳北峰(2842m)、鹿島槍ヶ岳南峰(2889.2m) 2022年9月16日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 23:59 大谷原−−0:54 西俣出会−−2:13 高千穂平(標識)−−3:15 冷乗越(県境稜線)−−3:25 冷池山荘−−3:33 テント場−−4:17 布引山−−4:59 鹿島槍ヶ岳南峰 5:06−−5:29 鹿島槍ヶ岳北峰 5:39−−6:10 鹿島槍ヶ岳南峰 6:46−−7:11 布引山−−7:44 テント場−−7:49 冷池山荘−−7:59 冷乗越−−8:28 高千穂平(標識)−−9:05 西俣出合 9:11−−9:47 大谷原

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2023年9月16日 日帰り
天候登山口付近は晴だったが山の中は小雨後曇&ガス。布引山より高い場所ではガスが切れることは無かった
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場大谷原に駐車場あり。今年も橋を渡った対岸の駐車場も利用可能だがそれを知らない登山者が多い
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば大展望だが今回はずっとガスの中だった
GPSトラックログ
(GPX形式)
ここをクリックしてダウンロード
コメント3連休初日は赤岩尾根経由で久しぶりの鹿島槍へ。日本海に秋雨前線があり曇りで風が強い予報だったが雨の可能性は低いと判断したが、実際には途中で雨に降られて稜線ではずっとガスの中で久々に山頂で展望無しだった。気温は高めだったが西寄りの風が強く日差しが無かったので寒かったが、下山時に日差しが無いので大汗をかかされることはなかった。3連休なので赤岩尾根はいつもより入山者が多いと予想していたがすれ違ったのは10人に満たなかった


鹿島槍ヶ岳南峰〜北峰間の吊尾根で出会った雷鳥親子。母親+子供4羽で子供の大きさは母親とほとんど変わらないくらいだった


大谷原の左岸側駐車場 ゲート
西俣出合の堰堤内トンネル 標高1730m付近の岩屋
ガスでフラッシュを焚くと真っ白に 高千穂平の標識が立つ標高2045m地点。この直後に雨
大町市街地の明かり 標高2420m付近のガレ横断個所(下部)
冷乗越(県境稜線) 冷池山荘
テント場は数張あり 布引山
ガスに覆われた鹿島槍ヶ岳南峰。まだ暗い時刻 鹿島槍ヶ岳北峰もガスで展望無し
イワツメクサ。この時期でも一番多く見られる花 鹿島槍ヶ岳北峰分岐
この天気でもキレット小屋方面への縦走者あり トウヤクリンドウの僅かな咲き残り
シラタマノキの実。あちこちでたくさん見られた イワウメ。こんな時期に狂い咲きとは驚き
ミヤマダイコンソウ。こんな時期の花は非常に珍しい ミネウスユキソウ
雷鳥親子 タカネヤハズハハコの葉。さすがに花はもう無い
ヤマハハコ 紅葉が始まったミヤマダイコンソウ
標高2820m付近の岩壁。数日前の滑落死はおそらくここだろう 雷鳥?の羽根
標高2860m付近 鹿島槍ヶ岳南峰
ウラシマツツジの紅葉 ミヤマキンバイは紅葉し始め
クモマスミレは黄色く紅葉し始め ガスでも登ってくる登山者とすれ違う
一時的にガスが薄まり稜線が見える ヤマホタルブクロ
奇跡的に花が残ったミヤマキンバイ 奇跡的にまだ花が付いているハクサンイチゲ
ミヤマコゴメグサも残り僅か タカネツメクサはこれしか花は残っていなかった
ガスが切れたタイミングで牛首山が見えた 布引山
布引山を下るとガスの層を抜けた コケモモの実。いくつか美味しくいただいた
ナナカマドの実 標高2520m付近
標高2520m付近で一時的に森林限界を割る ゴゼンタチバナの実
オヤマリンドウ ミヤマアキノキリンソウも稜線ではほぼおしまい
ナナカマドの葉はきれいに紅葉せずに枯れていた ダケカンバも紅葉ではなく枯れ葉と化していた
ミヤマキンポウゲは2輪だけ花を見た ネバリノギラン。もう花じゃないと思うが花と実の見分けが・・・
アオノツガザクラ。蕾が付いた株もあった ヒトツバヨモギか?
チングルマの紅葉はごく一部で始まったばかり チングルマの花の蕾
ミヤマキンバイ まだいくつか花を付けたミヤマキンポウゲの株
上空は雲は薄いのだが・・・ 下界は雲海
テント場。3連休初日の今日はどれくらいのテントが立ち並ぶのか
爺ヶ岳のガスが切れてきた 冷池山荘。発電機の音は行きも帰りも聞こえず
クロウズコの実。天然のブルーベリーの一種で美味い 冷乗越への登り返しで森林限界を再び越える
冷乗越から見た赤岩尾根コース起点 冷乗越から見た爺ヶ岳北峰への登り返し
冷乗越見た西〜北〜東の展望。ほとんどの稜線には雲がかかったままだった
赤岩尾根 上部のガレ横断
下部のガレ横断 稜線のガスは切れないまま
ミヤマママコナは残り僅か オヤマリンドウは元気
高千穂平の標識が立つ標高2045m地点 一時的に雲海の中に突入
カライトソウ 西俣出合の新しい標識
涼しい堰堤を潜って北股本谷左岸へ 林道終点
私が7月に刈り払った北股本谷へ下る道の入口 北股本谷の水量はかなり減って飛び石で渡れる状況
林道終点のコゴメグサはまだ咲いていた コゴメグサの株
林道脇のテンニンソウ 標高1170m付近の砂防ダム
砂防ダムの反対側が鹿島槍東尾根入口踏跡 発電用取水堰
ゲート 左岸駐車場到着
ゲンノショウコ 雲海で稜線は見えない
右岸駐車場


 9月の3連休はガソリン高の影響もあって遠出はせず、いつものように近場の北アで日帰りで済ませることにする。3日あるので初日に登って中日は休養、最終日に登って2回の日帰りの予定である。

 1回目は体力が100%の状態であり、先週は楽な部類の爺ヶ岳に登ったので今回はきつい山を選択。近年登っていない五竜岳や白馬鑓ヶ岳が候補に挙がったが、夜間に歩いた経験が無いこと、草がはみ出て朝露で濡れないか登山道状態が分からないので、悩んだ末に毎度の鹿島槍に決めた。

 天候は微妙で、秋雨前線が日本海にあって湿った南風が吹き込んで風がやや強く、いくつかの予報を見たがほぼ曇り。問題は雲の高さで、山頂より高い場合は通常の曇りとなり展望に影響はないし、日差しが無くて暑さ対策になって都合がいい。雲が低い場合は雲海となって山頂は晴れとなる。中間の高さだとガスに覆われて真っ白なんてことに。どれになるのかは予報では分からないが、雨の確率が低いのはありがたい。ただし、湿った風が入る影響で大気の状態は不安定で昼くらいから雷雨の可能性が高い。

 ルートはいつもの赤岩尾根一択。3連休の柏原新道駐車場は大混雑で登山道も人がいっぱいであろうが、赤岩尾根はいつも空いている。金曜夜の大谷原駐車場は車が1,2台あるだけで予想通り。予報より天候は良くて満天の星空だが、この時期にしては気温が高かった。

 いつものように日の出の時刻に山頂到着するよう計画し、午前0時に出発。南峰まで約5時間で、北峰までプラス20分程度なので、北峰で日の出を迎える計画である。満天の星空は続いていて予報よりも天気はいいらしく幸先のいいスタートだ。気温は高いままで最初から濡れタオルと扇の出番。これで急な赤岩尾根の登りにかかったら夜中でも結構な汗をかかされそうな。

 西俣出会いで沢に下って水を補給。今年の北アは渇水で沢の水量は今まで見たことがないほど減っていて、堰堤のトンネルを使わなくても対岸に渡れるほどであった。

 赤岩尾根に取り付いてぐんぐん高度を上げていくが、頭上は星空なのに細かな雨粒がライトの光に反射するようになった。最初は夜露に濡れた木の葉から水滴が落ちてくるのだろうと考えたが、一時的に樹林が開けた場所の方が明らかに落ちてくる水滴が多い。どうやら稜線付近には雨雲がかかっていて強風でここまで飛ばされてきたと考えるのが妥当だろう。今回は傘を持ってこなかったので雨は困る。当然ながらゴアの雨具は持ってきているが、これを着たまま行動すると汗まみれになってしまう。一時的に雲の中に入ったようでガスがかかったが、その後はガスが切れた。おそらく雲海を通過したのだろう。

 幸いにして高千穂平の標識がある肩までは濡れるような雨量ではなかったが、そこを越えて森林限界の様相が濃くなってから急に雨が強くなって濡れるほどに。急遽木陰に急いで隠れてザックカバーを装着し、ゴアの上着を着ようと準備していたら雨粒が止んでくれて、これ以降は雨に降られることはなかった。しかし頭上の星は全く見えなくなり雲がかかっているのは間違いない。さて、この雲の高さは山頂を越えてくれているといいのだが。大町の町明かりが見えているので下界に雲海は出ていないようだ。

 まだ稜線に出ていないが風が強くなってきて寒さを感じたので若干の防寒対策。そういえばいつの間にか気温が低下して汗をかかずにすむようになった。冷乗越に出ると西寄りの風が少し強まったが予想よりは弱く行動に支障はない。劔沢小屋のものと思われる光が遠くに見えているが、冷池山荘やテント場付近の光は見えなかった。まあ、まだ午前3時過ぎだからなぁ。日の出までまだ2時間以上ある。

 下って森林限界を割って冷池山荘に到着。今回も発電機が稼働している音は無しで静か。外でタバコを吸っていた宿泊者が1名だけいたが小屋の中の照明はまだ真っ暗で、出発準備中の登山者のヘッドライトの光が見えていた。テント場は数張あり、こちらも活動開始でテントの中に明かりが見えていた。

 登山道が稜線東側に移ると風がブロックされて体感温度が上がって快適に。前方には少し離れて光が見えており先行者あり。登山道が稜線西側に移って再び森林限界を越えるところで風がモロに当たって寒くなるのでゴアの上着を追加する。前方には布引山への登りのライトの光、後には水平な尾根を歩いている光が見えている。

 傾斜が緩んで布引山に到着すると薄っすらとガスがかかり始めた。このタイミングでガスでは鹿島槍山頂もガスの中かもしれないが、まだ真っ暗なので山頂の様子は見えない。風が吹き抜ける稜線を上がっていくとどんどんガスが濃くなってしまい、車の運転でハイビームにすると視界が真っ白で見にくくなるのと同じで、頭のLEDライトの光が目の前の霧に当たって真っ白状態で地面が見えにくい。前方を登っている登山者の光はガスで見えなくなっていた。

 濃いガスの中を登っている中でLEDライトが電池切れになった。ガスの影響で見えにくかったので暗くなったのに気付くのが遅れたが、出発から4時間半が経過したので電池切れも仕方ないだろう。なお、今使っているのは今年購入した単4形の充電式電池で、その前に使っていた電池では4時間持たなかったので、少なくとも30分は長く使ええるようになった。鹿島槍山頂到着が日の出の時刻なら電池切れになる前に周囲が明るくなっていただろう。電池交換をするときに別の光源が無いので、暗い中を手探りで電池交換が必要だが、事前準備をしておけば問題なし。ただし、万が一の事態に備えて小型光源は考えた方がいいな。

 あまりに濃いガスで足元の登山道もよ〜く見ないと見分けるのが難しい場面が出るほどで、ジグザグの道を登り切って鹿島槍南峰(山頂)到着。時刻は午前5時ちょっと過ぎで、真っ暗ではないが僅かに明るくなった程度でまだライトが必要な状況だ。先着の数人がライトを点灯させて写真撮影したり立ち話したりしているが、見てている範囲内では北峰に向かう姿は見られなかった。まだ日の出前で暗いしガスがかかって何も見えない状態で、北峰に行っても同様の状況なのは確実。おそらく今日登ってくる人でキレット方面へ縦走する人以外は南峰山頂で引き返す人が多いだろうが、こちらは体力維持が主目的なのでライトを点灯して北峰に向かった。

 なお、南峰から北峰に向かって下っていく岩場にて、今週月曜に滑落/死亡遭難が発生している。このルートはずっと岩場が続いて登山道がどこなのか見分けるのは簡単ではなく、初めてこのルートを歩く人がまだ暗い時刻にライトの光で下るのはお勧めできない。私の場合は何度も通った道で正しいルートが頭に入っているので例外である。

 岩が濡れて滑りやすいかと思ったらそんなことはなく、ルートを外さないことだけ気を付けてグングン下っていく。今週の遭難現場がどこだったのか具体的な場所は知らないが、最後の急な岩壁が一番ありがちな場所だろう。ここを下ればもう急な岩場はなく安全地帯に入るが、そこまでの間が道がはっきりせず、各自の判断で安全なルートを下る必要がある。冬場はここが凍ると一番厄介な場所だ。急な岩場を下っている際に上の方から大声がしたが、まだ暗いしガスが濃くてライトの光も見えないので、山頂からの声なのか北峰へと下っている途中なのか分からなかった。

 無事に危険地帯を通過して真っ白な中を東へと進んでいくと徐々に明るくなってきたが、視界は相変わらず数10m程度しかないので北峰の姿は見えない。平坦な最低鞍部を通過すると北峰分岐標識が登場し、ここで縦走路と別れて山頂へ。もうライトは不要な明るさになっていた。登り切った鹿島槍ヶ岳北峰には意外にも先客が一名いたが、おそらく私がLEDライトの電池交換中に追い越していった若者だろう。私と入れ違いで下っていったが、荷物の量からして私と同じく縦走組ではなく山頂往復組だろう。

 西寄りの風が強く寒いので東側に隠れて短い休憩を取りパンをかじる。ガスで展望は皆無のままで、おそらくは短時間でガスが晴れることはないだろう。まあ、ここで何度も展望を楽しんでいるので今回は見えなくてもいいけど。10分ほどの休憩で南峰に向けて出発。

 縦走路に戻る途中で空身の男性2名とすれ違ったが、南峰からの往復かと思ったら縦走路分岐に大ザック2つが転がっていたのでキレット方面へ縦走ついでに立ち寄ったようだ。おそらく私が南峰に到着したときに先着していたが、ライト不要な明るさになるまで待っていたのだろう。それとも私が南峰から下っている途中に聞いた大声の主だったのか? 鞍部から南峰に登り返している途中ではさらに2名とすれ違ったが、こちらもザックの大きさからして縦走組だろう。

 この時期はもう花は少ないが、秋でもしつこく咲いているのがイワツメクサ。トウヤクリンドウはほぼおしまい。通常はもう花は咲いていないはずのイワウメ、ミヤマダイコンソウの花を見つけた時には驚いた。今年の異常な暑さと関係があるのだろうか。

 南峰の岩場にかかる手前で雷鳥親子が登場。母親+子が4羽と多く生き残っていた。登山道より上部から登山道に飛び降りて下の斜面へと下りながら草をつついていた。これだけガスが濃いから安心して登場するにだろう。残念ながら雷鳥が登山道近くにいる間にここを通ったのは私一人だけだった。

 ガスの中を登りきって南峰山頂へ到着。出発時と同じく数人程度がいたが、私が出発してから1時間経過しているので人は入れ代わっているだろう。明るくなったが出発時と同じくガスで展望皆無のままで、強く冷たい北西の風が吹いているので南斜面で風除けしながら休憩をとった。北峰では短時間の休憩だったので南峰で本格的にお休みすることに。私の場合、鹿島槍だと下山し始めると西俣出合で水浴びするまでは休憩なしで歩くので、このタイミングで休憩が必要だ。結局、休んでいる間もガスに巻かれたままだった。

 休憩を終えて午前7時前に下山開始。相変わらずガスで視界はなく、どれくらいの人が登ってきているのかは全く見えない。最終的にすれ違った人は数10人の単位であり通常の週末より少なめであったが、3連休初日だと考えればかなり少ないと言っていいだろう。予報では日中に大気の不安定な状態が毎日続くことになっていたので、入山を諦めた人が多かったのかもしれない。でも考えてみれば今日は3連休初日とはいえ、私が下りで稜線を歩いた時刻は午前7時〜午前8時であり、今日の日の出の時刻に出発した人はまだ種池山荘にも到着していない計算になる。すれ違った人の大半は金曜日に入山した人のはずであり、少ないのは当然かもしれない。

 鹿島槍南峰〜布引山の稜線では、毎年遅くに咲いているハクサンイチゲが見られるが今年も健在だった。遺伝的に遅く咲くような個性なのだろうか。同様に数は僅かだがヤマホタルブクロ、しおれかけではなく開き始めのミヤマキンバイ、ミヤマコゴメグサ、タカネツメクサを見ることができた。ウラシマツツジだけは赤く紅葉しているが、ミヤマキンバイやミヤマダイコンソウは紅葉し始めくらい。クモマスミレは黄色くなり始めだった。

 布引山に接近すると西側のみガスが切れて黒部川方面が見えるようになったが、立山や劔岳の稜線は雲の中に入っていた。布引山から急激に高度を落としていくとやっとガスの層の下に出たが、赤岩尾根を下っている時も布引山より上部はずっとガスの中だった。下界は雲海で日中に気温が上がるとこれが上がってきてこれまたガスになるので、おそらく今日は夕方になるまで稜線はずっとガスのままだろう。

 森林限界を割る手前のハイマツの根元にはコケモモの赤い実が成っていたのでいくつか頂戴した。野生種なので甘みはそれほど強くはないが全く甘くないわけでもない。矮小な樹林帯に入るとナナカマドやゴゼンタチバナの赤い実が目立つ。ここからテント場までの間ではミヤマアキノキリンソウ、オヤマリンドウ、ミヤマキンポウゲ、アオノツガザクラ、ミヤマキンポウゲ、チングルマの花が僅かながら見られた。このエリアでは毎年遅くまでミヤマキンバイが咲いているが、通常はミヤマキンバイがこんな秋に咲くことは考えにくいので別の種類ではと怪しんでいて、今回はよ〜く観察したが本当にミヤマキンバイらしかった。ここではミヤマキンバイの他にも普通は夏に咲いて秋には終わっている花がいくつか見られたので、地形的な影響が原因なのかもしれない。

 紅葉はまだまだで、ナナカマドは僅かに黄色くなり始めだが、それよりも葉の一部が枯れた茶色になっていて、今年もきれいな紅葉になりそうもなかった。ダケカンバの葉も同じように枯れた部分が目立っていた。

 帰りのテント場はテントは撤収して空っぽだが、3連休なのでこれから満杯になるのかな。往路では無人だった冷池山荘前には10人近くがいた。種池山荘から到着したのか、それとも今日はゆっくり下山でこれから出発なのか。冷乗越へと登り返す途中では種池方面からやってくる人とすれ違うようになるが、やっぱりいつもの週末よりは数が少ないように思えた。シラビソ樹林帯ではクロウズコの実がたくさん生っていていくつかいただく。コケモモよりも水分も甘みも多くて食べやすい。

 冷乗越で振り返ると布引山の少し下が雲の底面で、相変わらず鹿島槍はガスの中だった。爺ヶ岳は中峰、南峰はガスの下だが岩小屋沢岳以東の稜線はガスの中で見えなかった。

 赤岩尾根に入って一気に高度を下げていくが、上空は雲がかかって日差しが無いので涼しくて快調だ。たまに雲が切れて日が出ると暑いが長続きしない。赤岩尾根の下りですれ違った登りの登山者は5、6名と3連休とは思えないほど少なかった。

 快速で下りながら下山速度を測定してみたら、傾斜がきつい区間では10分で標高差200mも下っていた。冷乗越から西俣出合の標高差は1100m弱であり、帰宅後にこの間の所要時間を確認したら約1時間だった。赤岩尾根上部は傾斜が緩いし、高千穂平付近は水平区間なので時間がかかることを考えれば本当に100m/5分のペースで下ったようだ。このペースは私にとっては速過ぎたようで、翌日は太腿に軽い筋肉痛が出た。

 西俣出合では北股本谷に下って水浴び。7月に沢に下る踏跡周辺の草木を私が刈り払って以降、さらに誰かが整備したようで、私が刈った時よりも道が良くなっていた。林道終点にはコゴメグサがあるのは知っているが、この時期はもう花は終わっているだろうと思ったら、まだたくさん咲いていたのには驚いた。前回は7月下旬に登ったが、その時も咲いていたので相当花の期間が長い。

 最後は林道歩きだが木陰が多いので助かる。雲は県境稜線付近に多く出ているようで、林道を進んで稜線から離れるに従って雲が切れて日が出ている時間が長くなっていった。

 ゲートを越えて左岸側駐車場に到着すると私の車を入れて3台だけ。右岸の駐車場には8台。登山道ですれ違った人数と数が合わないが、赤岩尾根上ではなく県境稜線上ですれ違った人がいたり、釣人の車も含まれているからであろう。でもこの台数はやっぱり通常の週末よりも数は少ない。一方、柏原新道の駐車場はいつもいっぱいなので、今週は多少減っても「公式駐車場」はやっぱり満杯だろうな。

 

山域別2000m峰リスト

 

ホームページトップ